メモ3

・ALT、AMT、TFL

上前腸骨棘と膝蓋骨外側とを結んだ線が大腿直筋と外側広筋の間の筋間中隔にあたる。中央付近に最も穿通枝が多い。穿通枝よりも遠位はよくICG造影されるが、近位は造影されにくいので穿通枝は皮弁の近位3分の1くらいにくるようにデザインすると良い。

皮弁の内側は大腿直筋の直上くらいになるようデザインする。穿通枝がいまいちでAMLに変更する時のために大腿直筋直上をまっすぐ切開する。大腿外側皮神経がある。最初は皮弁のデザインとは異なっても良い。大腿直筋の筋膜を切開して筋膜下を筋肉を下に落とすように剥離していく。筋膜を持ち上げるようにすると筋間中隔を超えてしまうことがある。大腿直筋を持ち上げるようにして剥離していくと深部に大腿回旋動脈の下降枝があるのが見える。下降枝の位置によってはAMLしか挙上出来なさそうな時がある。穿通枝を確認したら、ちゃんと皮膚に入っているかどうかを見る。皮膚に入るポイントを確認したら、近位側に追って下降枝に合流するか確認する。合流することが確認できたら、穿通枝以降を剥離して本管まで追いかけていく。AMLにいく枝、斜行枝、上行枝(TFL行く枝)、大腿直筋枝がある。大腿直筋枝はAMLの方の枝から出ていることもある。外側広筋に行く神経が近くを通っている。基部では大腿神経として合流してきてそれなりに太くなる。なるべく温存する。血管を分岐部まで追うときは、先に神経をムキムキにしておく。どうせ神経は先の方で切って感覚障害は必発ではあるので、ギリギリまで剥離して良い。血管は攣縮を防ぐために多少脂肪をつけて剥離。神経が剥離されると、シースが開くので血管も剥離されてくる。穿通枝をつづいて剥離する。側溝を掘るように。両脇の筋肉を少しずつつけるように剥離していく。皮膚側では筋膜上まで筋肉を分けていく。穿通枝を追いかけ終わったら、一度筋膜を仮閉じして元の位置に戻してから皮弁の反対側をデザインする。筋膜まで糸をかけて元の位置に戻しておかないと、筋膜がずれていて穿通枝の位置が思っていたのと違うところにあることがある。皮弁に穿通枝が入っていない、みたいなことが起きうる。穿通枝が入るように皮弁をデザインしたら、反対側から、穿通枝が入る場所を確認しながら筋膜を剥離していく。

AMLも基本的には同様。筋膜の表面をずっと下降していく穿通枝の枝があったりする。そのような破格があるとALTの穿通枝が思ったところにない、というようなことが起きる。

TFLに入っていく穿通枝は高めの位置にある。恥骨と同じくらいの高さ。

 

・腓骨皮弁

腓骨を触診してマーキング。下腿の遠位3分の1くらいに穿通枝が多いので、そのあたりに皮島をデザインする。腓骨の後面から穿通枝は出てくる。

皮島の前縁から切開。腓骨筋の上に入る。長趾伸筋と腓骨筋の間にも硬めの筋間中隔があるので、間違えないように。腓骨真横の角よりも後ろ寄りに腓骨筋はある。腓骨筋の上で筋膜を切開して、筋膜下を筋肉を下に落とすように剥離。筋間中隔を超えないように。穿通枝を確認する。わかりにくい時はヒラメ筋側から筋間中隔・穿通枝を確認することもできる。後で骨を切るとき・血管を剥離するときに膝近くまで切開する必要があるため、皮島の近位側まで切開しておく。切開をある程度長くして筋膜を切開しておかないと展開が不良になる。穿通枝が確認でき、筋間中隔だけで皮島がつながっているような状態にできたら、腓骨筋が薄いところ・腓骨の直上・筋間中隔のすぐ近くで腓骨に達するまで切開する。腓骨の全長にわたって。腓骨の骨切りは両端の5、6cm残すくらいの位置で切る。長さが不要であってもその位置で切る。腓骨を残しておくと血管の剥離に邪魔になるため。両端の5、6cmは関節の安定性のために重要なので温存する。

つづいてヒラメ筋側から剥離。穿通枝がヒラメ筋を通っていることがあるため注意。筋間中隔・穿通枝が確認できるところからさらに裏面、長趾屈筋の筋膜を薄く 1層だけ剥離する。筋体と筋膜の間に指を入れて剥離しておく。後脛骨動脈を確認。

前面に戻る。骨間膜までは腓骨前面は何も気にせず剥離。前面から腓骨筋を通るような穿通枝が出ているが、これは切るしかない。長趾伸筋と腓骨筋の間は硬めの膜があるが、骨間膜とは硬さが異なる。骨間膜を全長で出したら、腓骨を切る位置で骨膜を剥離。腓骨動脈を損傷しないように骨に沿わせてエレラスやリトラクターなどを挿入しておく。骨切りしたら、引っ張りながら骨間膜を切っていく。遠位では腓骨と腓骨動脈が離れて走行し始めるので、浅くすくいながら切開していく。骨間膜のすぐ下には後脛骨筋があるが、筋交い状の構造をしている。筋交い構造の真ん中を剥離していくのが良い。腓骨動脈が離れていくところを確認できたら、遠位では結紮切離してしまう。腓骨動脈が骨側に含まれるように確認しながら、残る後脛骨筋を切っていく。腓骨近位では腓骨動脈と後脛骨動脈が合流する。合流部分まで剥離。静脈は阿弥陀クジ状に合流しあっているので、どれを吻合に使うか決めて剥離をする。

 

・内側足底皮弁

内顆の後ろを通って切開をデザインし、土踏まず上に皮弁をデザイン。後脛骨動脈をまず確認。遠位に追いかけていく。長母趾屈筋の下を潜っていくところがある。ある程度までおったところで、皮弁の内側・近位を切開する。筋膜下を切開して長母趾屈筋の筋体を剥離したところで、筋体を切離して下を通っていく後脛骨動脈を確認する。切離した筋体は最後に修復する。踵枝・内側足底動脈浅枝・深枝がある。総趾神経は温存。血管がなんとなく入っていくのを見たら、皮弁の遠位を切開。皮膚全層くらいまで。鈍的に剥離してみて、温存すべき趾神経を確認。足底筋膜は切離しつつ趾神経は剥離して温存する。筋体との間を剥がすようになる。神経を剥離して追いかけていくと、血管が皮弁に入っていくところが見える。穿通枝は細すぎて見えないので、付着部付近は無理に剥がさない。神経を落として脂肪を残すようなイメージで。